くり返す頭痛と⾝体感覚の鈍り

2025年5月29日更新

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頭痛には様々な原因がありますが、その原因とは無関係に頭痛があれば頭痛薬を飲むという流れが、い
つからか正当な対応になっているようです。この対症療法は、⼀時的には痛みから逃れられるかもしれませんが、痛みが治るための根本的な解決にはなっていません。そればかりか、くり返しの服薬による副作⽤で、さらなる頭痛やケモブレイン(薬による脳の機能障害)という⼆次的な問題を引き起こすリスクを負っています。⾝体へのリスクを覚悟したうえで服薬しているという⽅に、私は異を唱えるつもりはもちろんありません。


⼀⽅では、対症療法に疑問を感じ、服薬によるリスクを避けて、痛みを⾃分で治せるように⾝体を整え
たいという想いでそう体堂に通われる⽅がおられます。頭痛を⾝体が⾝の危険を察して警鐘を鳴らしていると受け⽌めて、丁寧に⾝体と向き合い整えていくと、⾝体感覚の⼀部に鈍りがあるということに気がつき、根本的な原因にたどり着くことができます。


⾝体感覚は「⾝体の状態を感じとること」によって培われる感覚です。頭痛の急処は頸椎 2 番にあるの
ですが、頭痛になる前の⾸や肩、頭、お腹、指先、背⾻などの緊張や滞りを感じとることができれば、そもそも急処の⼿当てすら不要ですし、頭痛に悩まされることもありません。


頭痛時によくみられる「頭部への⾎流の過不⾜」には、前提として⾝体への意識が希薄になり⾝体感覚
が鈍くなっているという⼟台があります。
⾃⾝の⾝体に、少しストレスが過ぎているなと察知できれば躊躇なく休息がとれるでしょうし、同じ姿
勢が続いて⾝体を固めて強張らせていると気がつければ、⾝体の扱い⽅や姿勢を変えることも可能です。


持病として訴えの多い気圧の変化や⽣理周期による頭痛についても、⾃分ではコントロールできない要因だと思われやすいのですが、それらを許容できる本来の⾝体を体感できていれば、その対策や痛みに追われることもなくなります。
その為にはまず「⾝体感覚」と「⾝体の扱い⽅」に意識を向けて、⾝体の中⼼感覚や呼吸状態に⼼地よ
さや滞りなく活性化しているという体感を得ていく必要があります。


これは⽬にみえるものではないので分かりづらいことかも知れませんが、⾝体への意識の向けかたが適
っていれば誰でも確実にわかるものです。例えば、普段は意識していない空気の存在を、ゆっくりと深呼吸するときには「空気を吸っている」と実感できることと同じです。


他の誰でもない⾃分の⾝体。忙しない⽇常や⽣活習慣、社会のルールに振り回されて、知らず知らずの
うちに⾝体に不要な緊張を強いて感覚を鈍らせしまうことは少なくありません。普段の⽇常の中で、⾝体感覚をどれだけ鈍らせているかを⾃覚できた時、くり返す頭痛という⻑いトンネルに治癒という出⼝がみえてきます。

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