風邪をひく、その恩恵

2024年1月28日更新

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「風邪をひいたら、おめでとうございます」

この意味がわかるでしょうか。施術の当日に「今日は、風邪をひいてしまったので施術はキャンセルします。」という連絡をいただく事があります。施術によってより良い状態へと身体の反応を促すことが出来る事を知っている私としては、予約している日と風邪の症状が重なるという事自体がすでに良い身体に向かっている証だと受け止めています。

なぜなら、風邪の症状が出てもその日に施術を受けられない、そもそも風邪をひけない身体になっているという事も少なくないからです。故に、体調を崩しているときこそが施術を受けるベストなタイミングだと捉えておりますが、全ての方がそのようにすれば良いとは考えておりません。それは、身体の反応をより良い方向へと促す為には、施術を受けるための準備と心の方向性が大切だと感じているからです。

 一般的に言われる「一年中、風邪一つひかずに元気です。」という健康を証明する常套句。

これは、そう体堂で行っている「風邪や病気をしながら健康な体をつくっていく」という健康観とは真逆のものです。神社やお寺で毎年「無病息災」というお守りが売られているという事から「風邪をひく」、「熱を出す」、「体調を崩す」という身体の反応に前向きな感情を抱く方は、少数派であると思わされます。

しかし、風邪の症状に対して愉気や、お手当てをしながらご自分の体力で症状を経過し治していく事が出来ると、身体が蘇った様な爽快感が得られる事は少なくありません。特に成長期の子どもであれば、その顔つきや心の持ち方にも明らかな変化がみられるものです。これは実際に体感した時に、初めてその意味を理解することが出来ます。

風邪をひいたり、体調を崩したりする場合、身体の重心には偏りが生じます。その偏りを解消し、身体を調整するために体調不良や発熱といった症状をきたします。つまり身体の必要性に応じた反応なのです。

この状態を不健康だと捉えて病人扱いするのか、身体がより良い状態へと向かう良い機会として捉えるのか、同じ状況であってもその捉え方は大きな違いとなります。身体が自発的に行っている「体調を立てなおす」という生命力の働きに気が付くことが出来ると、その際にすべきことは「身体の反応をよりスムーズに促すこと」であると受け止める事ができます。すると「無病息災」を願う心の持ち方にも変化が生まれるでしょう。

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